
色に合わせてテキスト変えようとしたけど
ごめん、途中で力尽きたよ。許して。
ネタ元 http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1295529316/
男「あ、ゴキブリ」
女「ほんとだ」
男「ほいっ」
バシッ
男「もう大丈夫だぞ」
女「別に怖くなかったけど」
男「髪真っ青だったぞ」
女「むう」
男「今度は真っ赤だ」
ぼこっ
男「あたっ」
2 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/20(木) 22:22:48.99 ID:ZnpuGkwL0 (PC)
女「…」
男「髪真っ白だけど、朝飯食べてないのか?」
女「うん」
男「忙しかったのか?」
女「髪を白くしたい気分だったの」
男「そ、そうか…」
3 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/20(木) 22:29:08.54 ID:ZnpuGkwL0 (PC)
女「テストどうだった?」
男「平均ちょい上くらいだった」
女「そう」
男「金髪ってことは…ちぇっ、今回も圧勝されたか」
女「次はがんばりなよ」
男「うぎぎ」
5 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/20(木) 22:37:54.80 ID:ZnpuGkwL0 (PC)
女「ババ抜きしよう」
男「構わないけど、俺に勝ってくれって言ってるようなもんだぞ」
女「問題ない」
ゴソゴソ
女「こうやって髪を隠してしまえば、わからないだろう!」
男「髪どころか顔も見えないから、最早不審者にしか見えない」
女「問題ない」
男「女の子としては?」
女「…問題ある」
6 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/20(木) 22:44:46.85 ID:ZnpuGkwL0 (PC)
女2「♪〜」
女「…」
女2「ん、どしたの女」
女「なんでもない」フイッ
女2「もしかしてこれ?」
女「…」
女2「このストラップまだ持ってるから今度あげるよ」
女「そう」
女2「いい具合の黄色だね。喜んでもらえてなにより」
女「むう」
7 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/20(木) 22:50:02.56 ID:ZnpuGkwL0 (PC)
先生「じゃあ次の問題をーおん
女「」
先生「男、頼むな」
男2「先生、生徒の髪色を窺うのってどうかと思いますよ」
先生「じゃあお前なら当てられるのか」
男2「無理です」
先生「だろ」
9 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/20(木) 23:00:40.78 ID:ZnpuGkwL0 (PC)
女「…」
女2「のどかだね」
女「うん」
女2「周りの緑になじむほどにリラックスしてるね」
女「…今カメレオンみたいって思った」
女2「思った」
女「…」バサッ
女2「ちょっ、まっ生首やめっお、お腹痛いっっw」
10 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/20(木) 23:08:31.55 ID:ZnpuGkwL0 (PC)
男「月綺麗だなー、満月だ」
女「うん」
男「その色はなんだ?白っぽいけど白じゃなし」
女「月白」
男「げっぱく?」
女「そう」
男「ふーん、いい色だな」
女「うん」
12 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/20(木) 23:18:16.67 ID:ZnpuGkwL0 (PC)
女「どれがいいだろう」
女3「これでいいじゃん、甘くておいしいしー」
女4「いやいやー、こっちのワッフルも捨てられないっしょ!」
女「むむ」
女3「そ、そんな悩まなくてもいいんじゃない?」
女4「今の気分で決めればいいんだって!今の気分!」
女「今の…」
女3「あぁー、ねずみ色がどんどん黒く…余計悩んじゃったじゃん!」
女4「ご、ごめんっ」
13 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/20(木) 23:28:34.98 ID:ZnpuGkwL0 (PC)
B女「バレー次Cクラスとだね」
B女2「Cはそんな手強い人いないしいけっしょ」
女2「だそうだけど」
女4「私ら甘く見られすぎじゃね?」
女3「流石に黙ってられないっての。ね、女」
女「うん」
女4「も、燃えてるじゃん」
女3「髪真っ赤だわ」
女2「女負けず嫌いだから」
16 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/20(木) 23:39:26.97 ID:ZnpuGkwL0 (PC)
男「よっ」
女「ん」
男「バレー頑張ってたな、2位だって?」
女「そう」
男「そんな紺色になるほど落ち込むなよ。こっちは1回戦でぼっこぼこに負けたんだぜ?」
女「そっちこそもっと落ち込むべき」
男「選手の半分にサッカー部員がいるクラスに勝てる道理があるか」
女「それはない」
17 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/20(木) 23:52:18.08 ID:ZnpuGkwL0 (PC)
女「なにか面白い漫画ある?」
男「面白いのねぇ。女はどんなのが読みたいんだ」
女「ほっこりできるの」
男「ほっこりって言われてもな」
女「じゃあ笑えるの」
男「笑えるのね。じゃ荒川と聖お兄さんでもためしに読んでみなよ」
女「うん」
女「全部読んだ」
男「…髪赤いけど、面白くなかったか?」
女「違う」
男「じゃなんで赤いの」
女「…思い出すと笑いそうになるから耐えてる」
男「つぼったのなら無理せず笑えばいいだろうに」
20 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 00:08:24.94 ID:wyLZAmEW0 (PC)
男「なあ、ここに俺の菓子なかったか」
女「知らない」
男「…」ジ-ッ
女「…」
男「紫だから嘘ついてるな。犯人はお前か」
女「違う」
男「普通の黒、本当っぽいな。だとすると…」
女4「」ギクッ
ダッ
男「まったく、女も見てたら止めてくれればいいのに」
女「頑張って止めたよ」
男「そうか」
女「自分が食べるのを」
男「おい」
23 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 00:28:01.42 ID:TdTCf2Bu0 (PC)
空「悠々」
女 じー
女「ふふっ」 くすっ
男「よー。なにしてんだー?」
女「……ん。別に」
男「変なもんでも飛んでたかー?」 ひょい
空「澄明」
女「綺麗な色だなって思って」
男「なーんかメルヘンな妄想にでもひたってたのかー?」
女「え?」
男「髪。虹色してる。綺麗な」
女「そう。そうかも、ね。ふふ」 ぱさり
25 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 00:43:35.27 ID:TdTCf2Bu0 (PC)
十二時半「昼休み」
男「さー。メシだメシだー」
友「あたしゃこれだけが楽しみでこの苦界に来てるようなもんですヨ」
女「……」 かぱっ 「……っ!」
パアアァァ!
男「うおっ、いきなりの金髪!?」
友「それも限りなく光明に近しい金!」
男「何があった? いったい何があったんだ!?」
女「別に」
友「いやいや、気持ちはわかるぞ心の友よ!」
男「おまえと一緒にすんなよー。まー食卓が明るいのはいいことだけどなー」
女「……いただきます」
女(ふふ。今日のおべんと、ちょっとお肉が多い)
27 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 00:54:28.32 ID:wyLZAmEW0 (PC)
男3「女さんって髪の色変わるけど、何気に全身の毛も変わってんのかな」
男「…」
男3「セクハラじゃないからにらむなよ」
男「それじゃ何が言いたいんだ」
男3「ほら眉毛も変わらないと」
男「あぁ」
男3「それとも顔から上限定とかかな」
男「そうかも知れない」
男3「気になるなー。男、今度聞いてみてくれよ」
男「俺の評価と顔の形が変わりそうだから断る」
28 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 00:57:04.25 ID:wyLZAmEW0 (PC)
女4「女ってさー、髪の色変わったとき身体全部の毛の色も変わってるわけ?」
女「……まあ」
女4「なるほどねー」
女3「あんたなに聞いてんの」
女4「ほらー、やっぱ気に何じゃん」
女3「そりゃ気になるけどさ。ほらー女赤いじゃんよ」
女2「ということは他のとこも赤いのよね、今」
女4「…」
女「」
女3「2人ともやめなっての。女の髪青白っぽいよ」
29 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 00:59:52.99 ID:TdTCf2Bu0 (PC)
男「この髪ってさー」
女「?」
男「色が変わってる時に抜いたらそのまんまなのかなー」
女「……さあ」
男「全色引っこ抜いてコレクションしてみたらどんぐらいの色数に……」
女「……」
すううぅぅ――
男「……怒った?」
女「別に」 ふぁさ 「赤くもないでしょ?」
男「うん、見事に白いねー……はッ!?」
男(よくそんな馬鹿なこと思いつくねー、って白けられてる?)
女「全部で何色あるんだろうねぇ、これ」 くるくる
30 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 01:03:56.88 ID:wyLZAmEW0 (PC)
女「…」
男「なんて髪と顔してるんだよ」ヒョイッ
女「…おでん缶」
男「ココアやコンポタージュの方がよかったか?」
女「これがいい」
男「ん、そういい反応されるとこそばゆいな」
女「はふっはふっはふふっ」
男「聞いてねぇ」
32 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 01:06:31.81 ID:TdTCf2Bu0 (PC)
男「今日の髪はピンクか」
友「コスプレくせー!」
男「……ちょちむらっけがあるなー」
友「人間の心中なんてのは、実際、強弱複数の感情が同時に在るもんだからね」
男「なるほどねー」
友「というかあれはピンクな感情なのか、赤い感情と白い感情が混ざってるのか」
男「難しいなー。人間の感情は複雑だからなー」
友「そもそも感情の合成と色の合成は一致するのか?」
男「学術的な興味は尽きませんなー」
友「ませんねー」
33 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 01:07:21.51 ID:wyLZAmEW0 (PC)
男2「寒い」
男4「冬だからな!」
男3「女さんの髪なんか雪女っぽくなってるよな」
男4「冬だもんな!」
男3「儚くていい感じだよな!」
男4「冬っぽいしな!」
男2「お、男がおでん缶あげてる」
男4「冬だしな!」
男3「あー、髪の色が黄色系統になっちゃったな。ちょっと残念」
男4「まったくだ」
男2「お前ら…」
34 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 01:16:26.95 ID:wyLZAmEW0 (PC)
女「…」
男「なあ」
女「なに」
男「髪赤いけど」
女「怒ってないよ」
男「じゃなくてだな」
ぴとっ
女「」
男「やっぱ熱っぽいな。色とテンション的にそれっぽかったし」
女2「流石、男君。よく気がついたね」
女「あ」
男「ん、余計赤くなったな。こりゃ保健室だな」
女2「まー、今のも熱っちゃ熱だけどさ」
35 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 01:18:50.93 ID:TdTCf2Bu0 (PC)
禅寺「座禅体験中〜」
女「……」
男「……」 そぉ〜
友「……」 チラッ
二人「……ッ!?」
男(む……無色透明! 無か? 心はいま完全に無なのか!?)
友(やべッ、ハゲに見える……いかん、笑ったらまずい……ッ)
僧「……」 ギロッ
38 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 01:23:13.44 ID:TdTCf2Bu0 (PC)
男「いままで人類が体験したことのない感情が出たらさー」
女「そうね。どんな色が出てくるのか」
男「……人類が未だ見たことのない名状しがたい色?」
女「かも、ね」
女「見てみたいの?」
男「気にはなるわー」
女「じゃあ、この星にはない未知の恐怖でもつれてきて」 くすくす
友「待て! 宇宙由来の色はまずい! そんな気がする!!」
39 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 01:26:49.94 ID:wyLZAmEW0 (PC)
女3「女大丈夫?髪の色すごいことになってるけど」
女「ん、大丈夫」
女4「緑だったり青だったり、紫だったり。すっげーマーブルな感じ」
女2「この色合いだと恐らく…」
女3「女!私飲み物買いに行くから一緒に行かない?気分点転換にさー」
女「うん」
女「女3」
女3「お帰り。飲み物はホットレモンでいい?」
女「うん、あと」
女3「いいって、お互い様だっての」
女「…ありがと」
42 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 01:31:06.48 ID:TdTCf2Bu0 (PC)
文旦「どんっ」
友「なぜこんなもんが学校に」
男「剥くのが面倒でー」
男「誰か剥いでくれないかなーと思ううち、気が付けば持って来ちゃってましたー」 てへ
友「ダメ人間だな君は!」
女「……」 ひょい
男「あ」
女「いいよ。ひまだから」 剥き剥き
男「なんとお優しいー。まるで菩薩さまのようじゃー」
友「おまえいつの農民だよ」
女「……」 剥き剥き
友(髪が紫……そうか、もはや気分は孫を甘やかすおばあちゃんってか!)
友(しかしなぜババァは髪を紫に染めたがるのか……)
女「……」 剥き剥き
44 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 01:39:21.90 ID:wyLZAmEW0 (PC)
女「…」
男「…」
女4「なーにしてんの2人ともー。って女の髪すごっ!銀髪?」
女「夜更かしするなって言ったのに、男が3度も夜更かしして朝寝坊したから」
女4「あーあー、呆れてるってのね。男ーだめじゃーん」
男「返すことばもない」
女4「まーあたしも宿題5、6回連続で忘れたことあっけどねん。人間失敗はつきものっしょ!!」
女「」
男「呆れすぎて真っ白に近くなってんな」
45 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 01:47:59.09 ID:wyLZAmEW0 (PC)
男「おーい、女ー、一緒に…どうしたその髪」
女「男っあのねあのね! これ、これっ!!」
男「なになに。 ! これって女が好きなあのアーティストのLIVEチケットじゃんか」
女「そう! そうそうそうそう!!」
男「あーだからこんな光ってんのか。 まぶしいな、おい」
女5「喜んでもらってなによりですね」
男「女5さん、あれ女5さんが?」
女5「そうです」
男「なんでまた」
女5「あの子にあげたかったからですよ」
男「ふーん?」
46 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 01:49:03.67 ID:TdTCf2Bu0 (PC)
菜の花「一面の」
男「むせかえるやうなこのかほりがー!」
女「……この、匂いが、ね」
男「どうにもたまらんなー菜の花ってやつぁよー」
女「……」
男「お? 髪がセピア色!?」
女「この匂いは、なぜか」
女「……」
女「なつかしいことを、思い出す」
男「あー。あるかもなー、菜の花はー」
女「そう、ね……菜の花だから」 すぅっ
男「菜の花はこんなに黄色いのになー」
女「不思議ね」 くす
47 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 01:57:40.91 ID:TdTCf2Bu0 (PC)
冬陽「弱々」
男「寒いー」 ぶるぶる
女「言ってどうなるものでもないのに」
男「おまえも寒いと言えー」 きしゃー
女「別に。それほどでも」
男「……」
女「……なに?」
男「無理すんなよー。真冬の寒げな刈田株みたいな色の髪しやがってー!」 ぽんっ
女「……」
女「これは、あれよ……冬景色の中に季節のわびさびを感じているだけ」
女「物思う日本人なら、当然の感情でしょ」 すたすた
男「いいやー! その色は寒いと思ってる色だねー!」
男「おとなしく寒いと言えー!」 がおー
49 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 02:06:31.25 ID:TdTCf2Bu0 (PC)
女「借りてたDVD、返しとくわ」
男「おもしろかったかー?」
女「まあまあ、ね」
男「……」
女「なに?」
男「その髪の色は……どう判断すれば……」
女「……さあ」
[改行]
友(奈良の古い寺院内のみたいな色だ……)
友(あーゆーのを見たような、重厚な感銘を受けた、ってことなんだろうか)
友(……でもあれはコメディ映画のはずなんだけどなー)
54 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 02:22:36.20 ID:TdTCf2Bu0 (PC)
友「恋する乙女の髪の色って何色だと思いますか博士?」
男「んー。情熱の赤かー、輝く太陽の色かー、はたまた貴方色に染められたい純白かー」
友「どうよ!?」 ちらっ
女「?」
友「黒いままですなー」
男「よーし、恋だ! 恋を意識するのだ乙女ー!」 ぬあーん
友「想え、想うのだそのいとし人をー!」 むあーん
女「……ばぁか」 くす
男「やっぱ変わらんかー」
友「くそー、何色だ? マジ何色だー?」
女「……」
女(恋する感情は相手のことしか映ってないんだから、色は鏡と同じ色)
女(だから、相手の髪と、同じ色しか映らない)
女(……そんなこと、言うわけないけど、ね) にこ
55 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 02:25:26.24 ID:wyLZAmEW0 (PC)
女5「あら、こんにちは。 男さん」
男「お、こんにちは」
女5「女さんは一緒ではないのですね」
男「そりゃいつも一緒にいるわけでもないですし」
女5「そうですか。 そうですよね」
男「…女5さんはどうして」
女5「女さんによくするのか、でしょうか」
男「はい」
女5「単純にあの子のことが好きだからですよ。 女さんは裏表のないいい子です」
女5「最初はあの子の特異な体質に目が行きましたが、それがなくても私はあの子のことを好きになった
でしょうね」
女5「あの子の魅力はあなたがよく知っているでしょう?」
男「えぇ」
57 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 02:27:39.07 ID:wyLZAmEW0 (PC)
女5「ですから大丈夫ですよ。 そんなに心配される必要はないです」
男「あ、はは。 なんかすみません、探るようなことをしてしまって」
女5「いえいえ、少し疑り深いくらいほうがいいと思いますよ。 私が悪女だった場合もありえたわけで
すし」
男「それはないということがよくわかりました。 女5さんはとてもいい人ですよ」
女5「あらあら。 どうしましょう、ほめられました女さん」
男「へ」
女「……」
男「女…ずっと聞いてた?」
女「」
女5「あらあらあら、銀色ということはかなり怒っているみたいですね」
男「女、その、な、えっと」
女「じゃ」
男「ちょ、ま、まってくれぇっ!!
女5「ふふふ」
60 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 03:19:16.07 ID:wyLZAmEW0 (PC)
とりあえず名前を変えてみる
女「…」
ギャル「どうしたじゃんよー、女ー。 元気ないよー?」
女「なんかよくわかんない」
ギャル「そうっぽいみたいだねー。 髪の色もうぐちゃぐちゃだよ」
女「うん」
ギャル「まー、いーんじゃないの? 人間そんなもんっしょ」
女「…」
ギャル「これって決まってるんじゃなくて、いろいろなことがごっちゃになってるのが人間だもん」
ギャル「なんかこっち系ってぐらいの気持でいいんじゃん」
女「こっち系」
61 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 03:20:03.82 ID:wyLZAmEW0 (PC)
ギャル「そーそー、大体でいいって」
女「うん」
ギャル「いーねー。 大体黒いねー。 落ち着いた?」
女「うん」
ギャル「じゃノートみしてー」
女「…もう」
72 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 11:11:35.49 ID:TdTCf2Bu0 (PC)
男「Wow……」
友「どうした。生まれてくる時代でも間違えたか英雄?」
男「妹の検便と間違えて持ってきちまったぜ☆」 キラッ
友「変態だァーーーーー! ……いや、でも、まあ、これもある種の英雄っちゃ英雄なのか?」
男「やだなー。よくある間違いじゃないですかー」
友「いやあ、許されるのは体操服までじゃないですかな。ねー?」 チラッ
女「……」
女「ま、同じ家に住んでちゃあ、こういうこともないことはないでしょ……」 くす
友「えー。つまんねー反応ー。これだから身内の証言は証拠にならんのですよ!」
男「……」
男(いや、違う……違うぞ)
男(この髪の色は、数キロ以上離れた空気遠近法に霞む遠き山々の色!)
男(手を伸ばせば届くところにいるのに、こいつ、心はキロ単位でドン引きだー)
男(HAHA参ったねこりゃ☆)
73 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 11:58:05.80 ID:TdTCf2Bu0 (PC)
男「この髪って、脳みそあたりから出るアドレナリンだかセロトニンだかに影響されて変色してんのかなー」
女「かも、ね」 さらさら
男「じゃあ複数の細かい感情をコントロールすることで、髪をブラウン管のように……」
女「そこはせめて、液晶で」
男「でもさー。ブラウン管のほうが、味わい深い、やさしい色だぜー?」
女「そう」
女「……」
女「ふふ、ありがとう」
男「で、可能なのー?」
女「無理」
80 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 15:58:44.45 ID:TdTCf2Bu0 (PC)
女「お坊さんが頭を剃っているのは、髪色如きでいちいち平常心を乱されないようにするためなのよ」
女「これって、顔色以上にわかりやすいから」
女「昔はわたしみたいな髪の人がけっこういたみたいだし」 くす
男「せんせー! 髪色一つ変えず嘘つく人がいるー」
82 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 16:36:53.54 ID:TdTCf2Bu0 (PC)
先生「じゃあ頼むなー」
女「はい」
先生「いやおまえはこういう時やな髪の色せずしゃきしゃき働いてくれるから助かるわー」
女「……」
友「お、黄金色の髪! ただ働きがそんなに嬉しいとは、なんといういまどき珍しい素直な子……」
男「んん〜?」 じー
男「騙されるなー! あれは黄金色じゃねー、真鍮色だー」
友「な、なんだってー?」
男「あれは黄金の意志に見せかけた真鍮の意志だー! 先生の前で猫かぶりやがってー!!」
友「髪の色って、無意識じゃなかったの!?」
男「無意識でもこのぐらいやってのけるのが女って生き物なんですよー」 フゥ
友「オオ……怖いのぅ、怖いのぅ……」 ぶるっ
女「……ちょっと。そこの暇そうな二人ー」
86 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 17:21:39.45 ID:TdTCf2Bu0 (PC)
友「髪、染めときゃ、色が出てもわからないんじゃねえの?」
女「そう、ね……でも」
女「それは、いざという時の、お楽しみ……」 くす
友「うっわあ……この人、人生の重要局面で相手の男を振り回す気満々だー」
87 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 18:02:48.92 ID:TdTCf2Bu0 (PC)
男「よっしゃー。今日こそガツンといったるぜー!」
友「いかれますかー! で、なにを?」
男「なー。エロい気分な時ってさー、やっぱ髪はピンクになるのかなー?」
女「は?」
友「ストレートに訊きやがったー! 別に魔王は倒さなくても勇者にはなれるんだねママーン!」
女「……そう、ね」
女「じゃあ、そんな気分に、させてくれる……?」 くす
男「んー……えっとぉ……」
女 にこにこ
男「…………はッ!!!!」 かあぁっ
女「いま、ちょっと、そんな気分だった?」
男「か、川の流れを見ながらこの国の行く末を案じておっただけじゃー!」
女「ふふ。髪になんか出なくても、あなたはこんなに、わかりやすい」 なでなで
男「ううぅー。ガツンといかれちゃいましたー」 しくしく
友「してやったり、な気分の時はオレンジ系になるってわかっただけでも、おまえの死は無駄じゃなかったぞ勇者ー!」
89 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 18:36:50.80 ID:TdTCf2Bu0 (PC)
男「わかったー」
女「は?」
男「その黄色い髪は……さては、カレーが食べたい気分だなー?」
女「……」
女「わたしは、どこの戦隊のイエローさん?」
友「黄色っつか、この手の暖色は、たんにシヤワセな気分なだけじゃないの?」
男「幸せというのは、夕餉にカレーをこいねがう気持ちが、そのルーツとされています」 じゅるり
友「おまえ、どんだけカレー食いたいんだよ……」
男「き、貴様サトリの妖怪かー! ……はッ!? まさか俺の髪までこいつとペアペアにー!?」
友「……」
女「……ばぁか」 くす
91 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 19:14:34.91 ID:TdTCf2Bu0 (PC)
女「よしよし……」 なでなで
犬「ワフ……」
男「おーおー、お日さまみたいな色の髪になって、幸福に犬を撫でておるわー」
友「ええーい、はやくこっちに順番を回せー!」
女「……なつっこい犬と猫と、幸せは、自分の手で見つけなさい」 くす
友「ちくしょー! 絶交だァー!!」 ウワアァァァン!
男「それは措いといて、もしこれが犬だったら、全身の毛の色が変わってたのかねー?」
友「いや措くなよ。そこは眼の前にいる哀しみの天使をフォローしろよ」
女「そんなことしなくたって」
ノシ「ぱたぱた」
女「犬には尻尾があるじゃない」
男「そっかー。おまえには尻尾がないから、髪の色が変わるのかー」
女「かも、ね」
友「いやその理屈はおかしい。で、順番マダー?」
92 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 19:40:44.98 ID:TdTCf2Bu0 (PC)
友 じー
女「なにか?」
友「髪の毛全体の色が一様に変わるんじゃないのな−、これ」
女「まあ、ね」
男「人間なんてだいたいはぼんやりしてるか、大小複数の感情が微妙に同時展開してるかだしなー」
友「だからよく見ると、サーモグラフィーみたいに、多少違う色が混じってたりするのか」
男「でもサーモグラフィーはあれでちゃんとだいたいの温度傾向はわかるしねー」
男「この髪も普通はほかの色はそんなに気にならんよー」
友「でも、いっぺん見つけちゃうと、もう駄目なの!」 ビクンビクンッ
男「そういう感情は水屋の陰にごきぶりを見かけた時用にでもとっとくといいよー」
女「自分ではそんなに見えないから、気にはならないけど、ね」 さらさら
94 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 20:12:47.25 ID:TdTCf2Bu0 (PC)
男「……で、ここなんだけどね」
女「うん」
男「開くの、九時なんだわー」
女「うん」
友「おいおいー。おデートのご相談なわりに、テンション低いなー」
女「そうでもないけど?」
友「髪のほうはもう今から興奮して真っ赤っかなんだから、本体のほうも遠慮無くはしゃげよー」 どんっ
女「それなりに、はしゃいでるけど?」
友「またまたー」
女「計画段階では、はしゃぐ中にも冷静じゃないと、当日、困ることにもなるから」
友「まあそらそーだけどさ。そこまで微妙な感情は、さすがに、出ないか」
男「でもないぞー。よーくこの赤を見てみろー」
友「?」 じー
男「ただの赤じゃなくてー、紅葉の赤じゃないかー。燃え盛る中にもしっとりした赤よー」
友「なるほどー。いろいろ細かいとこ見てるねえ」
95 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 20:30:12.09 ID:RMnMSNDK0 (PC)
単発支援
女友2「と、いうわけで〜……お泊まり会に来ました!」
女友「来ました!じゃないっつの。どうしてあんたも止めんかった」
女「いや、あの……でも」
女友「わかった。興味と好奇心に勝てなかったお前が悪い。ピンクと黄色のマーブルが凄いぞ」
女「う、……ぅぅ」
女友2「いや、これには理由がある!」
女友「なんだよ……」
女友2「……女が寝てるところ観察したくね?」ボソボソ
女友「……ときどき思うが良い着眼点だなお前」ボソボソ
女「??」
女友「いや、なんでもない。泊めるのを了承しただけだ。なんか、持ってきてくれたんだろ?」
女「あ、うん。お母さんが作ってくれた煮つけとか」
女友「お〜、そういうのがやっぱ嬉しいな」
96 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 20:30:52.43 ID:RMnMSNDK0 (PC)
単発のつもりが、1レスにまとめれなかったorz
……。
女「おは……よ〜?」
女友「ああ……おはよ。起きぬけはまふまふの白さなんだな」
女友2「……起きぬけですまないが、一つ質問いいか?というかさせてくれ!」
女「な、なに?」
女友・女友2「昨日、何の夢見た!?」
女「え?……えと、……覚えてない」
女友(うぉぉぉおおおお!覚えてない、覚えてないだと!?そんなことがあってたまるか!)
女友2(一番最初、黒に落ち着いたかと思ったら、燃えるような赤になり、萌えるような緑になり、悲しみを讃える青になり)
女友(そして、思わず『クリリ○のことかぁぁあああ!!』を彷彿とさせる金髪だぞ!一体、どんなスペクタクルな夢を見たというんだ!)
女友2(それを、覚えてないなどとぉぉぉぉおおおおお!!)
女友・女友2「うぉぉおおぉぉぉおぉおぉぉ……」
女「え、あの……なんか、ごめん」
97 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 20:34:06.52 ID:TdTCf2Bu0 (PC)
友「なあ。そろそろ仲直りしなよー」
女「別に。用がないから、一緒にいないだけ」
友「そんな何でもないふりしてたって、髪は青いじゃないですかー」 ぽんぽん
女「リラックスの度合いが強い時は、こんなもんよ……」
友「……」
友「秋の終わりの、冬の初めの」
友「落ち着きどころのない空みたいな色の青しやがって、リラックスもクソもあるかいな」
女「……」
女「……だから」 がたん
女「色って、いやなのよ。どうでもいい、微妙なところまで出るから……」
友「よしよし、行こ行こ……で、おまえとあいつ、どっち側について謝ったらいい?」
99 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 20:47:36.50 ID:TdTCf2Bu0 (PC)
男「結局ピンクの謎は未だ解けずじまいかー」
友「色の合成がイコール感情の合成なら話は早いんだけどさ」
男「ふーむ。赤は上気加減の時で、白は気が抜けてる系の時だから、足すと……」
友「……」
男「……」
鳶「ぴー……ひょろろろ……」
男「へ……平常心?」
友「YES! 平常……心?」
男「やべー。謎が余計深まったー! 平常心は黒のはずだぞ、おいー?」
友「むしろこれは、黒服の男達が出てくる前に、追究をやめたほうがいいという天のお告げかも知れん……!」
101 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 21:04:27.04 ID:TdTCf2Bu0 (PC)
男「もしさー」
女「ん?」
男「狂っちゃったりしたら、髪は何色になるんだろうねー?」
女「さあ。狂う、っていうのは、一種、感情の壊れた状態だから」
男「ってことは、狂い色、みたいなのがあるんじゃなくて、むしろずっと黒いままかー」
女「たぶん、ね」
女「女の黒髪が美しい、っていうのは、きっと、そういうことなのよ……」
男「かも、なー」
女「……」
女「もし、わたしの髪が、ずっと黒いままだったら」
女「ふふ。どうする?」
男「……たぶん」
女「……」
男「綺麗だと思うー」
女「……ばぁか」
102 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 21:07:06.61 ID:TdTCf2Bu0 (PC)
女「……」
男「……怒って……るー?」 おそるおそる
女「別に」 ふいっ
女「子どもじゃあるまいに、たかが、シュークリームの一つ二つで……」
男「そのわりに、いつにも増して無口なんですがー」
女「髪の色は、変わってないでしょ?」
女「平常心よ……そう……どこからどう見ても、わたしは、平常心……」
男「じゃ、今は亡きおばあちゃんが呼んでるんで、これで……」 そそくさ
女「待ちなさい。どこへ行くの? 怒ってないっていったでしょ?」 ぎろ
男「はい……」 しゅん
友「……」
友(だから勝手に食うなって止めたのに)
友(にしても、髪はほんと、いつも通りだ……むしろいつもより綺麗に黒いぐら……はッ!?)
友(ドス黒いのか!? 怒りが激しすぎて、もはや妖しくも艶やかなくらい、黒を越えた黒なのかーッ!?)
104 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 21:16:42.60 ID:TdTCf2Bu0 (PC)
男「……あッ!?」
女「え?」
男「髪! 髪ー!」
女「髪……?」 ぱさっ 「……!!」
男「初めて見たわー。なにそれー?」
女「さあ……ねえ」
男「あー。焦ってる時の朱色系になっちゃったー」
男「すっげー綺麗だったのになー。いまの、万華鏡みたいな色ー」
男「なんか変な気分になるようなもんでも見たー?」 きょろきょろ
女「……ちょっと幸せで、ちょっとメルヘンチックな気持ちが、ちょっと嵩じただけ」
女「なんでもないから」
男「理屈はわかったー。でも、なんでそんな気分にー?」
女「遅刻、するよ」 すたすた
男「いつもどおり、一緒に登校してるだけじゃーん」
男「あー! 天使か? 天使を見たのかー? それとも、阿弥陀さんのご来迎かー!」 たったっ
112 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 21:57:47.98 ID:wyLZAmEW0 (PC)
犬「…」
女「…」
犬「!」
女「…」
犬「!?」
女「…」
犬「く、くーん…」
男「なにやってんだ」
女「髪で犬の相手を」
男「猛犬もかたなしだな」
118 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/21(金) 23:23:05.63 ID:wyLZAmEW0 (PC)
女「真面目」
真面目「あ、女。 どしたの」
女「借りてた漫画返しにきた」
真面目「はいはい。 早速だけどどうだった?」
女「よかった」
真面目「だよねー。 切なくていいラブコメだったでしょ?」
女「うん。 それに温かい場面も多くてよかった」
真面目「ねー。 少女マンガの中でもこれは特に好きだよ」
女「私も。 今度これ買う」
真面目「損はないよ! にしても髪の毛桜色かー。 乙女心ってそんな色なのかな」
女「多分、そう」
真面目「よーし、またその髪見たいから、次もいいの持ってくるね」
女「是非お願い」
121 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/22(土) 00:04:24.72 ID:8HMWvcCD0 (PC)
エロ「だからピンク髪はエロ
ドコッ、バコッ
真面目「何度も言うなっつーの!!」
女「真面目、物投げすぎ。 やりすぎ」
真面目「こいつはこれくらいしないと駄目――って女!」
女「?」
エロ「んー、下着もピンクのようだ」
女「ぁ」
真面目「エロおおおおおおおおおおおお!!!!」
冷静「……駄目だあいつ」
130 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/22(土) 08:10:49.36 ID:R3tkBmEd0 (PC)
男「大丈夫?」
女「しつこいなあ」
男「だって髪の毛ずっと灰色のまんまだし」
女「体調じゃなく気分で変わるだけだから心配ないっての!」
男「いつまで迷い続けてんだよ」
女「う〜」
男「たかが学食で定食食うかパン食うか程度で」
女「いいの! 育ち盛りの女の子にゃあ大事なことなの!」
男「しかももう下校中だってのにまだ灰色のままって」
女「あああうっとうしい髪の毛! 本人を差し置いて自己主張しやがって!」
男「そこまで悩み引きずるぐらいなら両方食えばよかったのに」
女「!」
131 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/22(土) 08:15:24.32 ID:R3tkBmEd0 (PC)
男「定食もパンも両方食ったら食ったで冬の日本海みたいな色の髪しやがって」
女「お前が余計なこと言うからだー!」
男「実行したのはそっちじゃねえか」
女「う〜こいつはああ言えばこう言う」
男「どうせ同じ海の色なら黒潮の色を目指そうぜ!」
女「また太るかもーってな気分の時にそんなハッピーになれるかあほー!」
男「日常生活が間違ってなきゃ一食ぐらい増えたってそうそう太らねえよ」
女「ああああもうこの髪のせいでいらんことまでいらん奴に伝わる〜」
男「髪が普通でもたいして変わらんかったと思うよお前の場合」
141 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/22(土) 14:29:11.22 ID:R3tkBmEd0 (PC)
男「この髪は白髪になっても相変らずなのかなあ?」
女「黙らっしゃい! 乙女の黒髪とかんばせは永久に色褪せたりなどしない!」
男「いやその髪って気分が落ち込んでる時とかすぐ脱色気味に変色するじゃん」
143 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/22(土) 15:59:44.53 ID:R3tkBmEd0 (PC)
男「やっぱ何らかの形で神経伝達物質が髪にも伝わってるんだろうねえこれ」
女「知らんわ」
男「ということはこの髪には神経が通って――」
女「切っても何ともないからたぶん大丈夫だよ!」
男「今は何ともなくてもそのダメージは主に脳へ蓄積されていて数十年後一気に――」
女「黙れ小僧! それ以上わたしの前で怖い話をしたら絞め殺すぞーっ!」
男「おお髪の毛がソメイヨシノみたいに精気のない白色に!」
女「気合いだー! この髪は気合いで色が変わってるんだー!」
男「まあ髪の毛の根元自体は皮膚の中にあるからそこに伝われば十分なんだろうけどね」
女「わかってんなら人をおどすなあほんだらぁー!」
男「今度は赤くなっいたいいたいやめろ叩くな」
144 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/22(土) 16:52:56.05 ID:R3tkBmEd0 (PC)
男「ツンデレな気分の時って何色?」
女「わたし別にツンデレちゃうしー」
男「ところでツンデレな気分って何?」
女「自分で振ってきてなに言ってんだこいつ」
男「踏みつけられた雪みたいな今の色がそうなのかなあ?」
女「いやこれは眼の前のお馬鹿に呆れてるというか白けてるだけ」
男「でも内心は愛しさでいっぱいなんだろ?」
女「うっわあポジティブな馬鹿ってマジ手がつけらんねえ」
男「あれ? でもデレは内面にあるから髪に出なくてもいいのか」
女「おいおいおいおいおいおいおいーだったらツンデレ色なんて必要ないじゃーん」
男「無駄な問答だったね」
女「それお前のセリフちゃうよーわたしのセリフよー」
男「うっわあ今度はもっのすごく褪めた青色になったー」
145 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/22(土) 17:30:42.08 ID:R3tkBmEd0 (PC)
女「日本人の髪が青とかピンクとかってやってらんねー!」
男「一日の大半は黒いままなんだから別にいいじゃん」
女「やっすいコスプレみたいでさー」
男「じゃあもういっそコスプレすれば?」
女「それがいやだっつってんのが聞こえないのかな君の側頭部なるダブル餃子は?」
男「いたいいたい餃子はつまむもんちゃういやつまむもんでいいのか?」
女「コスプレっつったってその間中ずっと同じ気分でいろってのがそもそも無茶だし」
男「まあそう落ち込むな枯れかけた紫陽花みたいな色になって汚いぞ」
女「ああああああだーかーらーこれがいやなんだあーって!」
146 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/22(土) 17:31:52.71 ID:R3tkBmEd0 (PC)
男「いっそこの体質を活かして何か新種の拳法考えようぜ!」
女「お前はわたしに民明書房デビューしろと言うのかね?」
148 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/22(土) 17:59:18.43 ID:R3tkBmEd0 (PC)
男「テストの時に髪の色ころころ変わるのやめてくんないかなー」
女「だだだ黙らっしゃい! 天才美少女はテストごときで感情が揺らいだりなどしない!」
男「見てると面白くってこっちの手が止まっちゃうのよ」
女「テスト中によそ見してんじゃねえ!」
149 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/22(土) 18:02:46.77 ID:7q1ppeZAP (PC)
虹髪拳
虹髪拳とは、全身を覆うほどの長髪の色を、自在に変えることによって
周りの風景に溶け込み、身を隠す拳法である
ただ周りの風景と同じ色になるだけではなく、気配すら周囲と同化させて
しまう為、この拳法による奇襲を回避することは不可能と言われていた
また、この拳法は、敵に気取られずに姿を消す場合にも重宝したとされる
本能寺の変において、織田信長の遺体が見つからないのは、配下にこの
拳法の使い手がおり、明智勢に気付かれずに本能寺から脱出したため
であるという学説は、近年特に注目を集めている (出典:真説・織田信長)
この拳法の習得には、自在に髪の色を変える術が必須であり、また、
気配を消す為にも、感情を完全に制御する必要があった
そのため虹髪拳の修得を志す者には、監視のもとで3年間不平不満を
言わない、クレーマーに対して常に笑顔で接する、満員電車の中で足を
踏まれても顔色を変えない、漂白剤で炊いたご飯がでても完食し、
笑顔でごちそうさまを言う、といった過酷な修行が課せられたという
現在においては完全な虹髪拳を承継している者はいないが、亜流として、
色黒な顔で暗闇に同化する暗黒顔拳が存在する
歌手・タレントの松崎しげるが、代表的な使い手である
歴史を彩る虹髪拳 民明書房
151 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/22(土) 18:12:39.38 ID:R3tkBmEd0 (PC)
男「この髪色はそもそも生理的に決まっているのかお前が色に持つイメージで決まってるのか」
女「イメージで決まるんなら全部黒だか茶髪だかぐらいにしとくわぼけー」
男「そういや不思議と茶髪系はないよね」
女「変化しても一番違和感のない色ほど出ねーってどういうことだよクソックソッ!」
男「今みたいに赤が強くなっちゃうからねえ」
女「ああでも金髪になる際の気分を弱めた感じでイメージすればいけるかも?」
男「もう諦めて歌舞伎みたいに振り回すしかないのですか髪よ!」
女「乗れよ人の相談には!」
男「おおますます赤くなってきた」
152 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/22(土) 18:26:43.93 ID:R3tkBmEd0 (PC)
男「こうなったら最終手段だー!」
女「頼むからお前もう喋るな」
男「変色するたびに一本ずつ引っこ抜いて五百色の色鉛筆を越えるコレクションつくろうぜ!」
女「いや喋るのはいいやそのかわり二度と飲み食いせんといて」
男「でもお前の髪って赤系青系の変化が多いからバランスが悪いんだよね」
女「お前が人を怒らすか白けさせるかするようなことしか言わんからだ!」
153 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/22(土) 18:35:05.45 ID:R3tkBmEd0 (PC)
男「色が変わるんじゃなくて単純に発光するんだったら夜道も安全だったのに!」
女「いやもう発光より先にお前の度重なる暴言への怒りで赤髪が発火しそうかな?」
155 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/22(土) 18:53:04.04 ID:R3tkBmEd0 (PC)
女「よーしよしよしおなか見せろや猫吉〜」
男「へーい!」
女「うわっ来たちくしょっ逃げた!」
男「あらせっかくいい色の髪してたのに一瞬で青白くなった」
女「へっ! ならいでかべらんめぇ」
男「桜が咲く頃のまだ若いもみじの葉っぱが光透かしてるみたいな色だったのに」
女「あーその色好きだわわたしー」
男「だがそんな幸せも一瞬にしてカビかけた食パンのような色になってしまったのです」
女「お前が出没したりするからだよ」
男「なぜ俺の前ではさっきみたいな春色じゃないんだぜ?」
女「お前の腹なんかモフったってねえ」
男「ふふふ試してみるかい?」
女「猫助ーどこ行った猫助ー?」
男「冷たっ! でもあたい負けない!」
156 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/22(土) 19:11:37.58 ID:R3tkBmEd0 (PC)
女「ううう〜」
男「ヘーイヘーイヘイヘイヘイヘイヘエエエエエエエーイ!」
女「うるさい生きながら四肢腐れ落ちろ!」
男「ギリでレポート書いてんのは自業自得なのに何たる言い草!」
女「わたしゃ短い時間ですぱっと終わらせる主義なんだよ!」
男「煮詰めたヤクルトみたいな色の髪して言われてもまるで余裕を感じない」
女「この混沌色が見えるんならあっち行ってろ! 邪魔!」
男「乳酸菌摂ってrグロッ何これこんなの乳酸菌じゃない!」
女「お前あとでこの髪が風にそよぐ新緑色になるまでぶん殴ってやるから覚悟しとけ」
男「ハイッ!」
157 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/22(土) 19:20:19.39 ID:R3tkBmEd0 (PC)
男「そんなしょっちゅう髪の毛の色が変わりまくってたら毛根傷むの早そうだよね」
女「75%ぐらいはお前のせいだよ」
男「共白髪は無理そうだけどうちもハゲの家系だから共無髪はいけそうだね!」
女「誰がお前なんぞとくっつくかあ!」
158 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/22(土) 19:39:45.64 ID:R3tkBmEd0 (PC)
女「これはどういうことなのかなボクぅ〜?」
男「おおお雪催いにそびえ立つでっかい枝垂れ桜の影みたいなこの髪色は!」
女「わたしの言うことちゃんと聞いてたぁ〜?」
男「ただの黒ではない! 厳しさと冷たさと威圧感を兼ね備えた黒!」
女「わかってんならとっとと買い直してこい自分の金で!」
男「プリンはプリンじゃんむしろプリンはみな尊――」
女「ほう? 貴様ごとき原猿風情がプリンの何を語れると?」
男「落ち着けまずはゆっくりと髪色を赤に戻すんだ!」
女「はやく行ってこい!」
男「ハイッ!」
160 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/22(土) 19:56:21.40 ID:R3tkBmEd0 (PC)
女「はあ〜」
男「なんだよ気力無さげなわりに赤系の髪しちゃって」
女「最終回まで見終わっちゃってさ」
男「ああ最終回後のあの虚脱感か」
女「気抜けた時はだいたい青白系なのにねえ」
男「あーいやでも正確には帰宅中に見る夕焼けみたいな色だわ」
女「なんでまた赤いのか」
男「見終わったあとの興奮に由来する気抜けだからじゃないの?」
女「色々と不思議が多いわこの髪は」
162 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/22(土) 19:59:19.75 ID:8HMWvcCD0 (PC)
ギャル「最近ウィッグ買ったんだけどどう?どうどう?」
真面目「女が同じ髪の色してるときに聞くってことは、いけてないって自覚あってのこと?」
ギャル「あーやっぱだめかー。 安物じゃびみょーだよねぇ」
女友「なら女の髪でウィッグ作ればいいんじゃない? 天然ものだよ」
ギャル「それいいじゃん! ってわけで女、頼まれて!」
女「抜くと色なくなるんだけど」
ギャル「えー、マジー?」
真面目「女から離れると駄目ってわけね」
ギャル「ちぇっ、ざんねーん」
女「ほんとに残念、ほんとに」
女友「切実な色だね」
真面目「自分のウィッグ作りたかったのね」
女「むう」
163 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/22(土) 20:18:51.46 ID:8HMWvcCD0 (PC)
お嬢様「できましたよ」
女「ありがとう」
お嬢様「三つ編みも素敵ですね。 特にこの系統の色ですとあの作品を思い出しますね」
女「うん。 あれ好き」
お嬢様「ふふふ」
男「三つ編みか、珍しいな」
女「お嬢様にやってもらったの」
男「ふーん、にんじんみたいんだな」
女「卑怯者!大嫌い!」
ばきっ
男「いてっ」
女「あ。 あんたよくも…えい! って言うの忘れた」
男「も、もう一度は勘弁して欲しい」
164 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/22(土) 21:05:01.66 ID:SrBz00+10 (PC)
女友「今日はいよいよ修学旅行☆」
女「だね」
女友「1日中ミステリアスな女の髪を見れるなんて幸せ☆」
女「そこを期待してるのかー」
女友「そして、お風呂!万人の興味の的であった。PI−がいよいよ!!!」
女「コホンコホン。ちょっと熱っぽいかな?」
165 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/22(土) 21:45:17.25 ID:8HMWvcCD0 (PC)
女友「女ー、私のことどう思ってる?」
女「いきなり何」
女友「わたしのこと考えてるときの色が知りたくてさ」
女「ん…」
女友「黄色に近い、かな。 今度は赤く、あ、白く」
女「どう?」
女友「いろいろ考えてるのはわかったけど、何考えてるかはよくわかんないね」
女「みんなと同じよ」
女友「そかそか。 で、何に呆れてたの?」
女「……」
女友「ほんと素直だねー、女は。 あぁ、そんなにすねないでって」
180 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 12:21:04.89 ID:RObZjiTQ0 (PC)
友「気持ちが高ぶると髪の色が変わるのは、まあ、いいんだけどさあ」
女「いいんならいいじゃない」
友「なんでアンタ本人じゃなくって、周りの髪の色が変わるんですかね?」
女「……」
女「想いはね……遠く離れていても、きっと、伝わるんだよ☆(ゝω・)v」 キャピッ
友「うぜえ……」
181 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 12:23:27.53 ID:RObZjiTQ0 (PC)
先生「おーい」
女「……はい」
先生「先生の授業って、そんなアンニュイかーい?」
女「……はあ」
先生「クラス全員の渦巻くような赤紫色の髪見てると、
先生、授業に集中できないんですけどねー?」
女「五時間目の授業なんてのは、太古の彼方より、こんなもんですよ……」 ハァ
先生「窓の外じゃなくこっちを見て言え!」
女「空って、誰が創ったんでしょうね……
これ以上の色なんて、人間にゃあとうてい創れやしませんよ……」
先生「空の話はどうでもいい!
お前が作ったこの禍々しい色の責任をとれ!!」
182 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 12:33:03.15 ID:RObZjiTQ0 (PC)
友「なんで4組の吉田はアンタのそばにいても
髪の色が変わんないわけ?」
女「他人の感情を察する能力が先天的に低い人は
わたしの影響を受けにくいようです」
友「ああ……あいつ、やっぱ、アスペか……」
183 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 12:38:50.01 ID:RObZjiTQ0 (PC)
男「いつにも増して長げぇな、校長の話……」
友「髪バカも相当ふらついてきてるわ」
男「意識が飛びかけてンのか?
どいつもこいつも、限りなく夏の陽みたいな白い髪……眩しッ」
友「勘弁してくれってのよねえ……校長も見てわかれっての。
空も地上も見渡す限りクソ眩し……あッ!」
男「……?」
友「……社会の岡崎!」
男「え? ……ああッ!?」
友「あいつの髪、色が変わってねえ! ヅラって噂は、じゃあ……?」
男「やめろ! 見るな! それが武士の情けだ!!」
184 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 12:59:54.92 ID:RObZjiTQ0 (PC)
女「あ〜、もうダメ! 現国捨てた!」
男「……やっぱりか!」
女「なにが?」
男「テスト中、見渡す限り、
うんこと腐った蛇瓜のあいのこみたいな、
今にも臭ってきそうな髪ばっかになってたのは……」
女「あはははは! テスト中はよそ見なんかしちゃあダメだぞ?」 メッ
男「うるせえ!
てめえいっぺん禅寺にでも籠もって、精神鍛え直してこい!!」
186 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 13:08:55.33 ID:RObZjiTQ0 (PC)
先生「あー。
お前はマラソン大会、ずっと歩いてていいぞー。
ゴールさえすりゃあ、あとはどうでもいいからー」
女「言われなくとも歩く気満々! d(゚∀゚)=3」
男「うわっ先生ずるー」
友「疲労がたまって自棄になってくると
すっごい邪悪な髪色になるもんなあこいつ」
先生「沿道の住人から苦情が来て困るのは先生だから」
女「人に迷惑をかけちゃあいけないよね☆(ゝω・)v」 キャピッ
男「……」
男「お前だけ外に出ず、
トラックを距離分ぐるぐる回ってりゃいいじゃん……」
先生「……あー」
女「…………」
友「うっわ、こいつ今すっごい絶望してる……
みんなして霧の朝に飛んでる蛾みたいな色になってる……」
187 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 13:19:02.10 ID:RObZjiTQ0 (PC)
女「すべてをわたし色に染め上げられるこの能力……
なにか、陳腐なSF的用途がありそうな気がするよ」
男「自分でも陳腐だってわかってるんだなそれ」
友「感情が伝染するってのはよくあるネタだけど、
アンタのはただ単純に迷惑なだけだから」
女「NASAの黒服の男達がわたしを狙ってるー!!」 イヤイヤイヤーン
友「NASAも迷惑でしょ……」
女「じゃあJAXAがわたしを狙ってるぅー!!」 ウネウネウネ〜ン
友「ただでさえ予算少ない人たちに余計な仕事さすなよ……」
男「だいたいどっちかっつうと
研究所向きじゃなく見せ物小屋向きの人材だろお前は」
190 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 13:30:24.94 ID:RObZjiTQ0 (PC)
男「……いかん。思ったより人混みがひでえ!」
友「どこよあのバカ?」
男「わかんね。携帯は繋がんないし」
友「……」 キョロキョロ
男「見つかった?」
友「たぶん向こうも困ってるはずだから、
周囲の髪色が変わってるはず」
男「あ、そうか!」
友「髪色が変わってる集団の中にいる!」
男「よし!」
男「……いませんねぇ。あいつも、髪色が変わった集団も」
友「まさか……あのバカ……」 プルプル
男「ひょっとして人とはぐれても何一つ困ってないんじゃ……」
友「えええええーい!
珍しく役に立ちそうなシーンでまったく使えーん!!」
191 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 13:48:50.43 ID:RObZjiTQ0 (PC)
女「たすけて! 追われてるの!」
男「事情はよくわからんがたぶんそいつぁ自業自得だ!
だから俺はまるっと無視するぜ!」
女「ひどい!」
男「……で、何したの?」
女「出棺の現場に出会した時、
わたしはちょうどガチャガチャが二回連続で二個出て
まさしく有頂天の心地でありました! 」
男「……」
女「みなさん、満開のコスモスみたいな色の髪になって、
もう大爆笑大爆笑」
男「お前のせいじゃねえか!」
女「故人は果たして遺族の涙を望んでいたでありましょうか? (`・ω・´)キリッ」
男「たとえそうだとしても、空気を読め空気を!」
女「空気を髪にプリントする能力!」 クワッ
男「いやマジでお前のバカ能力はご近所に知れ渡ってるんだから
多少は自重したほうがいいぞ」
男「それといい年こいてガチャガチャはやめろ」
192 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 14:00:14.64 ID:RObZjiTQ0 (PC)
女「まさか孔雀の羽までわたしの影響で色が変わるなんて……」 ゴクリ
友「人間の髪もある意味孔雀の羽とおんなじように
ディスプレイ目的なとこがあるしねえ」
男「あの孔雀、繁殖期だってな。可哀相に」
友「ストレスで羽根が抜けたって飼育員さん言ってたよ?」
女「知らん! 奴も男なら見た目じゃなく中身で勝負すりゃいいんだよ!」
194 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 14:05:29.62 ID:RObZjiTQ0 (PC)
女「せめてッ!
相手がハゲであっても
わたしに影響された時だけ髪が生えて色がつく……
そのぐらいゴージャスな能力だったら
ただの迷惑お嬢じゃなく、もちょっとはちやほやされていたかも知れないのに!」
男「どっちにしろ超微妙」
友「どうあがいてもアンタのバカ能力が役に立つ日は来ないんだから、
せいぜい迷惑かけないよう自重しなさい」
女「ああ、髪よ!
なにゆえこのか弱き乙女にかくもつらき試練をお与えになったのですか!!」
200 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 15:45:27.23 ID:RObZjiTQ0 (PC)
男「今は平常時で黒だけどさ」
女「うん」
男「平常時がもっと混沌とした色だった可能性もあるんだ?」
女「げっ」
男「三原色は押さえてるから、理論上、全色出る可能性があるわけだし」
女「や、やばかったねそれは……我がことながら……」
201 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 15:54:08.33 ID:RObZjiTQ0 (PC)
女「おはよう」
女友「おはよう。で、なに。そぼろでも焦げ付かせたみたいな髪色して」
女「……」
女友「表情はそうやってポーカーフェイスできるんだから、髪だってできそうなのに、ねえ」
女「し、神経も筋肉も血管も通ってないようなものを、どうやって操れとー!」
女友「ま、そうだよねえ……で、隠しごとは、なにかなあ?」
女「うう……ううぅ……」
202 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 16:01:54.67 ID:RObZjiTQ0 (PC)
女友「その……肌色は……やめてよね」
女「今時、はだいろ、なんていってたら、『チーム自主規制』に狩られちゃうよ?」
女友「頭皮がそのまま伸びてるみたいで、はっきしいって、怖い!」
女「あはは。興奮系の赤とほがらか系の黄色の中間でっす☆」
女友「くッ……限定販売のお菓子なんかあげるんじゃなかった……」
女「また機会あったらよろしくねー」
女友「ことわる!」
203 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 16:08:57.12 ID:RObZjiTQ0 (PC)
男「みかんを食い過ぎた気分の時は、オレンジ色、か……」
女「それは髪の毛じゃなくて、お手々じゃないかな?」
女友「みかんを食い過ぎた気分って、どんな気分よ」
男「んー。髪がオレンジ系の色になることに象徴されるような気分……かな?」
女友「だからそれはいったいどんな気分……ああ、もういいわ」
男「しょうゆはみりんのとなり、みりんはしょうゆのとなりっぽくなってきたな」
女「無限ループって怖いよねえ」
204 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 16:21:17.13 ID:RObZjiTQ0 (PC)
男「おまえの子供の頃の写真ってさ」
女「あー。それは」
男「なんか髪の色がやたら薄いのが多いのは、何なの?」
女「んー。ほら。心の深層のほうで、ずっと怖かったから。その分の白気じゃないかなあ」
男「……怖かった?」
女「その……お寺で見た、妙にリアルな地獄絵図が……」
男「ぷっ……」
女「ちょっ! 笑うな!」
男「いやいやいやいやいや。全髪色がことあるごとに薄くなるほどにかあ?」
女「子供心の素直さなめんなあ! 一年のうち十ヶ月ぐらいは夜寝るだってめっちゃ怖かったんだからあ!」
205 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 16:30:15.77 ID:RObZjiTQ0 (PC)
女「うう〜」
女友「これはまたドスのきいた紫色で……」
女「労れ」
女友「赤っぽいイメージだけど、実際はこんな色なんだねえ」
女「うるさい!」
女友「生理以外では出ないとこをみると、やっぱこのウザさはほかの感情から独立したものなのか……」
女「どうでもいいだろ!」
女友「はいはい……」
207 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 16:34:39.56 ID:2zjNA+7m0 (PC)
冷静「女さんって髪の色コントロール出来るのかな」
男「本人曰く、感情が髪にもろに出るみたいでさ」
男「感情をコントロール出来れば髪の色も変わるらしい」
男「だから表情をコントロールするのとは訳が違うようだ」
冷静「まず感情なんだね」
男「冷静だったら出来そうか?」
冷静「難しい、だろうね。 意識してない部分まで髪に出るのなら尚更」
冷静「慣れもあるとはいえ、感情をむき出しにして生活出来る女さんはすごいよ」
男「あぁ、俺もそう思ってる」
[改行]
エロ「もし俺だったらって思うとヤベーなー。 考えてることばれちまうわー、っべーわ」
男、冷静「「……」」
208 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 16:39:46.70 ID:RObZjiTQ0 (PC)
男「さあ、いよいよピンクの謎を解き明かす時がやってきました!」
女友「ファンシーなことだかラブリーなことだかでも考えてるんじゃないの?」
男「……」
女友「……」
男「イケナイことを予想していた……僕の心は……すでに穢れてしまっていたのでしょうか?」
女友「……遺憾ながら」
男「でも実際のところ、朱色とかは見るけど、どピンクは見ないよね」
女友「そもそもファンシー系は緑かオレンジ系になるみたいだしねえ」
男「色環的にはウザイヤ系の紫と興奮系の赤の中間なんだよな?」
女友「髪の発色が色環図に沿ってるかどうかは知らないけどね」
男「んー。謎だなあ」
女友「謎だねえ」
209 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 16:48:50.13 ID:RObZjiTQ0 (PC)
男「……和菓子」
女「は?」
女友「むしろこんな色のソースあるよね。特大サイズのエビフライにかかってるの」
女「……はあ?」
男「今日の髪は、美味そうな色してるってことさ……お菓子的な意味で!」
女友「そう……フライ的な意味で!」
女「え? え? ちょ、おちついて! 髪! これ、髪だから!」
男「でも色が変わると髪質もちょっと変わってそうな気、するよなあ」
女友「可能性は否定できないよねえ」
女「だから! おちついてって! 吸血鬼はいても食髪鬼なんていないからあ!」
男「あ……興奮色に変わっちゃった」
女友「……いま、どんな気分だったの?」
女「知らないっ! 忘れた!」
210 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 16:59:24.09 ID:2zjNA+7m0 (PC)
女友「感情の色って人それぞれ個性があるのだろうか」
女「多分」
真面目「色の変化の仕方も人によって違うんだろうね」
女「おそらく」
ギャル「もしもー、せんせーたちの髪の色が変わるならグランプリー」
女友「はい、ハゲ除外」
ギャル「はっや! 音楽のメガネちゃんはどうよ」
真面目「メガネちゃんは歌に気持こめるからめっちゃ変わるだろうなー」
女友「国語の渋面は顔のわりに可愛いものが好きだから…」
ギャル「想像するだけでヤバイヤバイ。 あの髪がピンクになるとかw」
女「…美術のおじーちゃん先生は変わらなそう」
真面目、ギャル「「あー…」」
女友「あの白髪は揺るがないね」
ギャル「優勝の女には美術室でおじーちゃんとひなたぼっこする権利をあげよー」
211 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 17:06:52.76 ID:RObZjiTQ0 (PC)
女友「これはまた普通に染めたかのような自然な茶髪」
女「うんっ。これぐらいがちょうどいいよねっ」
女友「茶色ってどんな気分なの?」
女「そう面と向かっていわれても……気分を説明するのって、意外と難しい……」
男「んー? くそみそな気分の時とか?」
女友「いい年こいて、茶色=うんこって……」
女「うんこ君はおいといて、はやく行こっ」
女友「あー、ん」
男「どこに?」
女友「超限定品のタルトの予約ができてたんで、これから受け取りに」
男「……わかった。茶色は期待色だ。幸せMAX色の金色へと至る色!」
女友「なるほど……ああ、なるほど、ねえ」
女「はやくぅ! はやく行かなきゃなくなっちゃうよ!」
女友「予約品なんだから、誰もとりゃしないっての」
212 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 17:16:14.85 ID:2zjNA+7m0 (PC)
女友「女も白髪になるだろうなー」
真面目「祖父と孫の図」
ギャル「なんかちがうw」
女「悪くないわ」
ギャル「さ、流石女。 グランプリは伊達じゃないって感じ」
真面目「本当にうれしそうだからすごいよね」
女「……ちょっと行ってくる」
ギャル「行くのw」
女友「おじーちゃんは偉大だった」
真面目「そういや昔おじーちゃんって髪をころころ変えてたらしいね」
ギャル「ちょっ、まさか」
女友「それカツラのことでしょ」
ギャル「女友っw」
213 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 17:22:31.55 ID:RObZjiTQ0 (PC)
男「緑と水色の区別が知りたい」
女「だから……わたしは心理学者じゃないんだから、細かい感情の分析は無理だって」
男「基本的にリラックス系なのはわかってるんだけど、なにが緑と水色をわけるのか?」
女「わかんないよそんなこと……」
女友「男なら、そのぐらい自分で読み解きなよ」
ミ ス テ リ
女「ふふーん、解けるかなあ? 女というのは一生かかっても解ききれない推理小説なんだから〜」
男「……」
女友「……」
女「……」
女「すいません。今の一言は忘れてください……」
男「あ、朱色になった」
214 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 17:32:10.37 ID:RObZjiTQ0 (PC)
男「おいっどうした? 大丈夫か!?」
女「……は?」
男「髪の毛が、えらい変な灰色になってる!」
女「え? いや、わたしは別に体調なんともないけど……」
女友「これ、黒板消しの粉がついてるだけじゃないの?」
男「こくばんけし!? ……ああ……こくばんけしね……」
女「あー。そういやさっき派手にパンパンしてた」
男「派手にすんなよ! 紛らわしい!」
女「おうどんすするのと黒板消しパンパンは派手にやるのが作法なの!」
215 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 17:33:10.99 ID:2zjNA+7m0 (PC)
おじーちゃん「……」
女「……」
おじーちゃん「女さん」
女「はい」
おじーちゃん「ここは好きですか」
女「はい」
おじーちゃん「私もです」
女「……」
おじーちゃん「……」
女「先生」
おじーちゃん「はい」
女「……いい景色ですね」
おじーちゃん「はい」
216 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 17:44:11.64 ID:RObZjiTQ0 (PC)
女友「もし同じ髪質の人がいたとしたらさ。発色にも個人差があるのかな?」
女「それは生物の先生に訊いてよ」
男「身体を構成する物質は同じはずだから、同じような発色だと思うけどなあ」
女友「でもあさりの模様は違うじゃん」
男「こいつの髪って蛋白質じゃなかったっけ? 貝殻は石灰質だろ」
女「それも生物の先生に訊いてよ」
217 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 17:47:57.88 ID:2zjNA+7m0 (PC)
おじーちゃん「おや、そろそろ下校時刻ですね」
女「それじゃあ」
おじーちゃん「はい。 気をつけて帰ってくださいね」
女「先生も気をつけて」
おじーちゃん「はい。 それではまた明日」
女「また明日」
ガラガラッ
おじーちゃん「……いい子だ。 そして、強い子でもある」
おじーちゃん「応援してますよ、女さん」
219 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 17:53:29.09 ID:RObZjiTQ0 (PC)
男「赤ちゃんの頃の写真になると、ほとんど赤いんだね」
女「ほら。赤ちゃんってのは、感情が未発達で、何でも泣いて興奮してすますから」
男「というか生まれつきなのかこの体質は……放射線を浴びたとかじゃなくて」
女「あはは。わたしはゴジラじゃないよー」
220 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 17:57:37.12 ID:RObZjiTQ0 (PC)
女「ん……んん〜?」
男「どした?」
女「耳くそが絶妙なところで引っかかって……ん……とれない」
男「そのうち湿気て耳壁にへばりつくだろ」
女「いやなこといわないでよー。とってー」
男「なんでこの人は学校に耳かきなんか持ってきてるんだろう……」
女「そこはあまり追及しない方向で」
男「ほい。動くな」
女「ん……」
男「……よしとれた!」
女「はやっ」
男「早くて悪いか? 気持ちよかったんならいいじゃねえか。桜の若葉みたいな髪の毛して」
女「……うん、まあ」
男「ほれー。けっこうでかいぞー」
女(若葉色は、甘えたい気分の時の色なんだけどね……ひざまくら、してみたかったなあ)
221 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 18:07:31.88 ID:RObZjiTQ0 (PC)
女友「さっき、青かった」
男「マジで?」
女友「マージで」
男「真正の青?」
女友「真正の青!」
男「冷静かつ真面目かつ深く思索している時だけの超レア色!」
女友「見ちゃったよ〜。うふふ」
男「くそっ! こちとらまだ一度も見たことねえぞ!」
女友「根が単純だから、めったに哲学じみたことはしないからねー」
男「写真は!?」
女友「……ただで見ようというのかね?」
男「ぐっ……何が望みだ……」
女友「ひひひ。マールブランシュの林檎タルトで手を打とうじゃないか」
222 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 18:09:38.56 ID:RObZjiTQ0 (PC)
男「この髪って、明度とか彩度とかの違いはあるのかなあ?」
女友「テクスチャはないの?」
女「そういうのはわたしじゃなくて、お絵かきソフト作ってる人にいってほしいなあ」
224 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 18:20:41.69 ID:RObZjiTQ0 (PC)
女「〜♪」
男「音楽聴いてリラックスしてると、髪は緑か」
女友「木陰でぼーっとしてた時は水色だったけどさ」
男「人工的にリラックスしてる時が緑で、自然にリラックスしてる時が水色?」
女友「ほぼそれで確定だと思うけど……そう思ってると、裏切られることがあるからねえ」
男「枯葉色と土気色の時か……!」
女友「もうちょっとデータが必要ね……うん」
男「というか俺達は何を研究しとるんだ」
225 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 18:26:12.24 ID:RObZjiTQ0 (PC)
女「この髪の伝説によりますと」
男「二十年も生きてないくせに何が伝説だよ」
女「生涯に一度だけ、未だ誰も見たことのないオリジナル色を出すそうです」
男「またそんな名状しがたい話を」
女「それは、心から愛した人のことで心が占められた時に出る、恋の色……」
男「……」
女「そう……いわゆる、『貴方色に染まる』のです!」
男「…………」
男「………………」
女「ごめん。いまわたし、髪の毛に宿る色のおばけに操られて変なこといった。忘れて」
男「……………………」
男(ほんとのところ、どうなんだろう、なあ?)
226 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 18:35:37.35 ID:RObZjiTQ0 (PC)
女「ちょうどいい具合に満開だね」
男「んー」
女「なに? 桜の花よりとなりを歩く地上の花の方が気になるのかなあ?」
男「いや。花見で浮かれてたら髪も桜色になるかと思ったけど、黄色なんだなあって」
女「カメレオンじゃないんだから。だいたいこれは外界じゃなく内面に反応してるわけで」
男「だよねえ」
女「合わせた方がよかった? えっと、桜色の気分ってのは、たしか……」
男「いや。いいよ」
女「……そう?」
男「満開の桜の下に、満開の菜の花があるってのも、いいもんだよ」
女「あはは。かもねー」
233 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 21:38:27.13 ID:2zjNA+7m0 (PC)
男「ここが噂のラーメン屋か」
女「ここのラーメンとてもおいしい」
女友「それは楽しみだねぇ」
ギャル「あれー、女その帽子は?」
女「お店への配慮」
女「飲食店で髪の色をころころ変えていると食欲に影響するから」
ギャル「あー、いい色だろうと悪い色だろうとなんかあれだもんねー」
女「そう」
男「それじゃ入るか」
冷静「そうだね」
女友「ありゃ、冷静君いつの間に」
冷静「いたよ? ずっといたよ?」
235 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 22:02:43.82 ID:2zjNA+7m0 (PC)
ガラガラ
店長「お、いらっしゃい嬢ちゃん!! いつもどうもねっ!!」
女「どうもです。 今日は友だちを連れてきました」
男たち「「「「どうもー」」」」
店長「おーおー、いらっしゃいっ!! 腹いっぱい食っていきなっ!!」
男「さて、俺はおすすめの塩バターコーンにするかな」
女「私も。 それが一番おいしい」
冷静「じゃあ、俺みそ」
ギャル「あえておすすめ食べない系? じゃ私とんこつー」
男「俺ら以外ばらばらか?」
ギャル「女友はー?」
女友「…これいってみる」
冷静「ち、超盛り塩バターコーン?」
女友「かぶっちゃってごめんね」
男「全然かぶった気がしないんだが」
236 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/23(日) 22:22:56.41 ID:2zjNA+7m0 (PC)
店長「はいよー、お待ちどう!!」
ギャル「おー、うまそうじゃん」
店長「嬢ちゃん、食ってからの感想も同じこと言うぜ?」
ギャル「おっちゃんえらい自信あるみたいだけどあたし結構うるさずるずるうまっ!! うっまいじゃん!!」
冷静「食いながらしゃべるのはよくないって」
店長「慌てるほどうまかったんだろう!! よーし、たまごつけてやろう!!」
ギャル「おっちゃん…あたしここの常連になる!!」
冷静「全くどこがうるさいんだよ」
男「別の意味でうるさいじゃんか」ズルズル
女「うん、おいしい」ズルズル
冷静「女さん、我関せずだね。 チラッと見える髪もラーメンの感想しか述べてない」ズルズル
冷静「お、結構いける」
女友「店長さーん、わたしも早く食べたいのでーす」
店長「もちっと待ってなー!!」
女友「はーい」
240 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/24(月) 00:21:59.46 ID:1AU7NS060 (PC)
ガラガラ
店長「いらっしゃい!!」
ニット「……」ペコッ
店長「水はセルフだ!! 注文決まったら呼んどくれよ!!」
女友「お〜っちゃ〜ん」
店長「わーってるわーってる!! もうちょいだからよ!!」
ニット「……」
チャラ男「あ? ニットじゃね?」
ニット「っ」
チャラ男「やっぱニットじゃーん。 相変わらず辛気くせー顔してんなー」
ニット「ああ」
チャラ男「ああ、ってつれねーな。 ってかまだそんな帽子かぶってんのかよっ」
チャラ男「大体お前は昔から…」グチグチ
ニット「……」
241 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/24(月) 00:31:26.75 ID:1AU7NS060 (PC)
チャリーン
チャラ男「あ?」
ギャル「すみませーん、そっちの方にお金転がって行っちゃったんですけどー」
チャラ男「マジでマジで? かわいそうだから俺が取ってやんよー」
ギャル「わー、めっちゃ助かりますー」
ニット「……」
店長「よう!! 注文決まったかい?」
ニット「あ、おすすめのやつで…」
店長「あいよ!! お嬢ちゃんのはもうすぐだぜ!!」
女友「」
冷静「おあずけに弱いのか…?」
女「……」
男「どうしたん?」
女「ん、別に」
242 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/24(月) 00:45:13.56 ID:1AU7NS060 (PC)
チャラ男「あー、このあと用あるんだった」
ギャル「えー、残念ー」
チャラ男「俺もー。 ま、いつでも電話で呼び出していーぜ。 じゃ」
ギャル「じゃねー」
ガラガラ
ギャル「はい、消去っと」
店長「おー、待たせたなー!! 超盛りだ!! 制限時間内に食ったr
女友「」
店長「は、始め!!」
女友「はむはふっ、はふふふはふっはふっ」
店長「いい食いっぷりだ… あ、嬢ちゃん」
ギャル「んー?」
店長「プリンス好きか?」
ギャル「けっこー好きー」
244 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/24(月) 00:50:30.75 ID:1AU7NS060 (PC)
プリンスじゃねープリンだw
店長「じゃサービスだ!!」
ギャル「マジぃ? もうけっ!!」
あはははは
ニット「……」
女「……」ジッ
ニット「っ」フイッ
女「……」
246 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/24(月) 01:05:36.21 ID:1AU7NS060 (PC)
店長「ほいっ、お待たせ!! 塩バターコーンと特製餃子だ」
ニット「? あの、これは頼んでないです」
店長「サービスだ!! そのレモンをかけるとグゥだ!!」
ニット「あ、どうも」
店長「ん!!」
店員「て、店長。 あの子あと5分もしないで食い終わりますよ」
店長「早すぎっだろ!!」
ニット「……」ズズ
ニット「……」パクッ
ニット「…うま」ズズズ
女「……」コクコク
男「おーい、ほんとどうした? なんか憑いてるのか?」
女「…・・・」ジッ
男「俺、にらまれるようなことしたかな」
247 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/24(月) 01:19:33.76 ID:1AU7NS060 (PC)
女たち「「「「「ごちそうさまでした」」」」」
店長「おう!! しっかしまー、そっちの嬢ちゃんの食いっぷりは歴代10位に入るくらいのもんだったぜ!!」
女友「食いっぷりよりも女らしいとこ褒めてほしい年頃です」
店長「やれやれ、たいした嬢ちゃんだ。 男子共はもっと頑張れ!!」
男、冷静「「無茶です」」
店長「おいおい。 まっ、機会があったらいつでも来な!! 歓迎するぜ!!」
女「はい、ありがとうございます」
店長「じゃーなー!!」ブンブン
251 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/24(月) 01:42:27.30 ID:1AU7NS060 (PC)
男「で」
女「ん」
男「結局どうしたのさ」
女「…ちょっと昔を思い出しただけ」
男「昔っていうと」
女「うんと昔。 私あの人みたいだった」
女「外であてなくぶらぶら歩いてたら、いきなり店長さんに『食べてけ』って言われて」
女「そのとき、あのラーメン食べさせてもらったの。 それからずっと常連」
女「話はそんなにしたことないけど、ただラーメンを食べるだけでなんだか元気になる」
男「そんなことがなぁ」
女「あのお店に暗い顔で来た人も出るときには、ほこほこしてる」
女「そんなとき店長さんは、してやったり、て顔で見送るの」
女「きっとあのニット帽の人も、出るときほこほこしてると思う」
252 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/24(月) 01:50:02.02 ID:1AU7NS060 (PC)
男「絶対?」
女「絶対。 今度また行ってみようよ。 常連さんになってるから」
男「えらい自信だな」
女「自分がそうだったからね」
男「そか」
女「うん」
バサッ
女「ふう」
男「なんか髪赤っぽいな」
女「いっぱいしゃべって少しハイなの」
男「確かにいっぱいしゃべってたな」
女「うん」
253 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/24(月) 02:02:04.91 ID:1AU7NS060 (PC)
女「もっとしゃべっていい?」
男「駄目っていったら」
女「無視してしゃべる」
男「…いじわるな色だなー」
女「うん。 で、つづきなんだけど」
ギャル「あたしらいないも同然じゃね?」
冷静「あの二人の空間にいることにしたいと?」
ギャル「あ無理、ちょー無理。 こころが死ぬって」
女友「二人おいてカラオケでも行かない? 折角賞金あるわけだし」
ギャル「もっち行く行く!! 冷静も行くっしょ?」
冷静「俺カラオケ苦手なんだけど」
女友「だからじゃん」
冷静「Sだろ、女友」
254 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/24(月) 02:17:29.01 ID:1AU7NS060 (PC)
ギャル「しっかし向こう幸せそうな色しってよねー」
女友「わたしらも遊んで幸せ気分になろうじゃないかっ!! 冷静で」
ギャル「さんせーい」
冷静「あぁ、逃げられないのなら楽しんだほうがいいかな…」
ギャル「前向きっていいこといいこと!! さー、いっくぞー!!」
女友「最初の目的地はカラオケだー!!」
冷静「おー」
ギャル「とっつげきーー!!」
だだだだだだ
女友「ふふ。 うしろ、不安そうな色が残ってる」
女友「でも、そう。 大丈夫、自信持って」
女友「準備はしてきたんだからあとは勢い」
女友「ファイトっ、女」
女友「って。 二人とも私を置いてくなー!!」
だだだだだだ
257 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/24(月) 04:50:55.87 ID:1AU7NS060 (PC)
男「さて、映画を借りてきた」
女「何を借りてきたんですか?」
男「呪怨」
女「ひっ」
男「ひぐらしのなく頃に」
女「ひぐらし?」
男「仏陀再○」
女「ぶ…」
男「この中から一つ選んで下さい」
女「うぅ、ううううー」
男(青くなったり、グレーになったり忙しいやっちゃ)
258 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/24(月) 05:10:21.27 ID:1AU7NS060 (PC)
女「ほ、他にないんですか?」
男「絶望で髪白くしなくてもいいだろ。 他にもあるよ」
女「ほっ」
男「アキラ」
女「う」
男「エイリアン」
女「うぅ…」
男「鳥」
女「うっうっ…」
男「…トトロ」
女「あ…」
男「スチュアートリトル
女「う」
男「ベイブ」
女「うーんうーん」
259 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/24(月) 05:24:09.27 ID:1AU7NS060 (PC)
男(ころころ色が変わるやつだなぁ)
男「早く決めないと勝手に決めるぞー」
女「え!?」
男「10、9…」
女「あわわわわ」
男「4、3…」
女「えっとえと!!」
男「しゅーりょー。 時間切れー」
女「あぅー」
男「全く優柔不断にもほどがあるぞ。 さて、時間切れなので特別なやつを見よう」
女「……」
男「ほいっ」
女「っ!! ……あっ、猫の恩返し」
260 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/24(月) 05:40:26.69 ID:1AU7NS060 (PC)
男「まだ見てなかったろ」
女「はいっ。 前から見たかったんです」
男「そ」
男(髪が金色に近くなってる。 どんだけうれしいんだよ)
男「じゃ、俺の気が変わらないうちに見るぞー」
女「はいっ」カチャカチャ
男(まー、映画見ずに誰かさん見るけど、ね)
【映画鑑賞中】
女「バロンかっこいい… ハルちゃんかわいいー」
男「……」ジー
男(色見るに本心から思ってるんだよなー。 子どもっぽいというかなんというか)
女「あ。 えへへ、面白いですね」
男「……」
男(赤い… この子ってやつはどうしてこう、なんつーか、こう、けしからん)
263 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/24(月) 08:27:31.02 ID:1AU7NS060 (PC)
女「男さん、なにか食べたいものはありますか」
男「ういろう」
女「うい…」
男「宮崎のマンゴー味の」
女「…」
男(このしょぼくれたときの青系の色がたまらなく可愛いんだよな)
男(だからどうしてもいじりたくなる)
女「よしっ」
男「ん?」
女「今から現地に行ってk
男「近所でようかん買ってこようか」
264 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/24(月) 08:39:28.58 ID:1AU7NS060 (PC)
女「けふっけふけふ」
男「大丈夫?」
女「ちょっと咳きこむくらいです。 熱も下がりましたし」
男「本当なんだろうけど、まだまだ安静に」
女「はーい。 えへへ」
男(赤色が引いたら今度は桃色というかなんというか)
男「ていっ」ピシッ
女「あうっ」
男「ていてい」ピシピシ
女「あうあう」
男「うん、これくらいがちょうどいい」
女「何がですか?」
男「さあ」
269 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/24(月) 16:05:41.72 ID:+Inl0dED0 (PC)
女「ねぇ、傘忘れたから一緒に入れてって」
男「なんで髪ピンク色なの?」
女「今日ご両親留守なんだって?ご飯作りに行ってあげようか」
男「なんで髪ピンク色なの?」
ガチャ
女「お見舞いに来たよー はいこれ学校のプリント 早く風邪治して学校来なよー」
男「ゲッホゲホッ!ゲホッ!ピンkゲホッ!」
270 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/24(月) 17:31:34.31 ID:1AU7NS060 (PC)
男(お、女だ。ゲームセンターにいるとは珍しいな)
女「…いいな」ジー
男(クレーンゲームか。 あのでかいぬいぐるみは相当きついだろ)
女「えいっ!」
女「それっ!」
女「はいっ!」
チャリンチャリン
男(まさに貯金箱。 お金がどんどん消えていく。 女の髪の色もどんどん…)
男(あー、しょぼくれて帰っていったか)
男「……」
チャリン
273 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/24(月) 19:03:10.44 ID:1HwZUZrU0 (PC)
女「色の変わる不思議な髪の毛だよ〜って触れ込みで高く売れないかなこれ?」
男「そんなふうに言われると、太古の彼方、小学校の校門前で売られてたチープな商品みたいだ……」
274 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/24(月) 19:05:19.56 ID:1HwZUZrU0 (PC)
女「羅生門がすでに倒壊していて助かったぜフゥハハァー!」
男「死んでなけりゃ髪抜きババアも手は出せないと思うけど」
275 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/24(月) 19:07:27.19 ID:1HwZUZrU0 (PC)
男「せっかく赤いんなら歌舞伎みたいに派手に振り回してみたらおもしろいのに……」
女「赤い時はたいてい気が荒ぶってるから、そういうふざけたことは頼まないほうがいいねぇ〜」
276 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/24(月) 19:09:20.86 ID:1AU7NS060 (PC)
がやがや
女友「さーて、やってきました大浴場」
ギャル「女がいるってのが重要!! マっジ重要!!」
女「まさか、部屋のお風呂が使えないなんて」
真面目「旅館としてはどうかと思うけど、旅先のハプニングって重要よね」
女友「それにしても女ガード固すぎ。 着替えのときに見せちゃえばいいのにさ」
女「いや。 他人に見せるようなものじゃないでしょ」
ギャル「そー赤くなってるの見せられると、余計に見たくなるじゃんよー」
真面目「人の性ってやつよねー」
女「とにかく、みんなとはしばらく距離あけるから」
女友たち「「「えぇー」」」
女「絶対だからね」
277 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/24(月) 19:18:41.39 ID:1HwZUZrU0 (PC)
男「髪に近いついでで顔の産毛も変色していたら……怖っ!」
女「心配しなくてもちゃんとお手入れしてるから……」
278 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/24(月) 19:22:21.77 ID:1AU7NS060 (PC)
女「まったく」
お嬢様「あら? 女さん、お一人ですか?」
女「お嬢様。 うん、みんな悪戯してくるから逃げてきたの」
お嬢様「そうですか。 みなさん女さんのこと好きなんですね」
女「ああいう感情表現はいらない」
お嬢様「ふふふ、そうですか。 でも髪さんの方は違うようですね」
女「むう」
かぽーん
お嬢様「いいお湯ですね」
女「んー、ちょっとのぼせてきた」
お嬢様「あらあら、ではそろそろ出ましょうか。 危ないですから両手を貸してもらえます?」
女「うん、ありがとう」
ざばー
お嬢様「いえ、こちらこそありがとうございます」
280 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/24(月) 19:28:44.34 ID:1HwZUZrU0 (PC)
男「発色が薄くなるのか、先端まで行き渡らなくなるのか、それとも点滅するようになるのか……」
女「切れかけた蛍光灯を見上げながらわたしの髪の老後を妄想するのはやめにしない?」
282 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/24(月) 20:21:59.35 ID:1AU7NS060 (PC)
女友「結局見れなかったわね」
真面目「お嬢様は見れたみたい」
女友「ちぇー、最大のチャンスだったのにさー」
ギャル「のんのん。 ビッグなチャンスはまだあるってーの」
真面目「というと?」
ギャル「私たち夜も同じ部屋じゃん」
女友「……最終手段ってわけか」
真面目「仕方ないわね」
ギャル「よーし、今夜決行と行ってみよー」
女友「……これは予想外だわ」
ギャル「ちょっ、これは考えてなかったって」
真面目「ほんと、まさかさー」
女友たち「「「貞操帯をつけているとは…」」」
293 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/24(月) 23:26:21.51 ID:1HwZUZrU0 (PC)
女「感情豊かな方が顔面筋肉が鍛えられ皺になりにくいってことは、髪も……」
男「白髪になりにくい髪なのこれ? んー、まああと数十年で答は勝手に出るだろうけどさ」
294 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/24(月) 23:49:16.74 ID:1HwZUZrU0 (PC)
男「後から寄った店の方が安かったぐらいで、そんないつまでも枯れた松葉みたいな色しなくたって」
女「違う! 髪がわたしを陥れようとしているだけだ! わたしがそんなちっぽけな女に見えるのか!」
295 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/25(火) 00:12:40.53 ID:xkOM1gkf0 (PC)
女「傷みやすい髪用のシャンプーがあるってことは、感情豊かな髪用のものも?」
男「一般の髪と髪質が違うのは確実だけど、資生堂もユニリーバも作ってはくれないだろうね」
296 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/25(火) 00:41:06.28 ID:xkOM1gkf0 (PC)
女「色変わりがうっとうしいうっとうしいって言うくせに、なんで伸ばしてるのかって?」
女「ふ、ふ」
女「短かったら、自分で見えないじゃない」
女「ん。おかしくないよ?」
女「君が、たまに、きれいだって言ってくれる時の色はね、自分でも、見てみたいから」
297 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/25(火) 00:45:32.18 ID:xkOM1gkf0 (PC)
女「最近、あんまり色が変わらなくなった?」
女「それは、たぶん……」
女「君とこうして一緒に歩いていても、いちいち気分が高ぶらなくなったんだろうね」
女「どうでもよくなった、ってことじゃないよ?」
女「一緒にいるのが、当たり前のことになったんだよ、きっと、ね」
298 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/25(火) 00:52:31.45 ID:xkOM1gkf0 (PC)
女「気分がばればれなことよりもいやなのは」
女「変色になれてきたらみんな、子ども扱いしてくること」
女「ほら、子どもって、感情表現が大袈裟でわかりやすいでしょ」
女「……君も、そうなのかな?」
女「なに笑ってんのよぅ! そういうのが、子ども扱いだって言うの!」
299 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/25(火) 00:57:43.72 ID:xkOM1gkf0 (PC)
女「ピンクじゃなく、桜色っていってほしいな」
女「……え?」
女「どんな気分の時になるのかって?」
女「ふ、ふ」
女「それは、君が、自分で、あててごらん」
301 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/25(火) 01:04:58.80 ID:xkOM1gkf0 (PC)
女「こんなふうに髪の色が変わるのって、その……やっぱり、変だよね」
女「……え?」
女「酔芙蓉みたい?」
女「ふ、ふ。うまいこと言うのね、君」
女「……ありがとう」
302 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/25(火) 01:13:58.06 ID:xkOM1gkf0 (PC)
女「子供心にかえった時の色って、どんな色なんだろうね」
女「そういう時はそのことに夢中で、自分では気が付かないから」
女「でも子どもにとっては童心が普通の感情だから……んん〜?」
女「あ!」
女「その顔は何か知ってるでしょ? ちょっと! 笑ってないで答えてよ!」
303 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/25(火) 01:17:41.73 ID:xkOM1gkf0 (PC)
女「君が絶対に見られない髪の色があるんだ」
女「あ、びっくりさせようとしても無駄だよ」
女「……それはね、寂しい時の色」
女「君の見たことのない色」
女「君がけして見えない色」
304 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/25(火) 01:22:51.44 ID:xkOM1gkf0 (PC)
女「寝起きのぼうっとしている時なんか、けっこう大変だよ」
女「気分が混沌としているから、髪の色もめちゃくちゃで」
女「鏡を見て、なんじゃこりゃあって、びっくりしちゃう」
女「うん、まあ、それで完全に眼が覚めちゃうからいいんだけどね」
女「……ちょっとぉ、笑わないでよぅ!」
305 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/25(火) 01:29:06.63 ID:xkOM1gkf0 (PC)
女「紫陽花は雨に濡れるといい色になるけど」
女「梅雨でじめった気分の時の、この変に茶色い髪は、ねぇ」
女「何だか、重っ苦しくなったようで、いやだなあ」
女「え? 苔色は、雨の日のほうが鮮やかに見える?」
女「あいかわらず、うまいこと言うんだね、君は」
309 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/25(火) 01:33:30.38 ID:xkOM1gkf0 (PC)
女「うん、そう、ちょっと気分が悪い」
女「あ、いや、君は関係ないよ? あの選挙の声」
女「せっかくいい気分で散歩していたのに、台無し」
女「髪だって、怒りの赤と、うっとうしい紫と、どっちつかずないやな色になっちゃう」
女「ラズベリー色? ああ、そういう言い方もあるかぁ。ふ、ふ。花の色で言われると、悪い気はしないね」
310 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/25(火) 01:42:02.28 ID:xkOM1gkf0 (PC)
女「うん、ちょっと、さびしいかも」
女「心配させてごめんね、でも、これは、どうしようもない気持ちだから」
女「夜景はこんなにきれいなのに、ふしぎだよね、帰り道って」
女「こんな時の濃紺色は、夜だとわかりづらいだろうに、よくわかったね」
女「……あ、電車の音……最終かな?」
311 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/25(火) 01:47:20.54 ID:xkOM1gkf0 (PC)
女「君はよく髪の色を花の色で言うけれど」
女「宝石の色はあまり使わないね」
女「ん……そうじゃないよ」
女「宝石をたくさん買ってくれる人よりも、花の名前をたくさん知っている人のほうが、やさしいと思う」
女「……わたしは、そう思うな」
312 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/25(火) 01:57:13.17 ID:xkOM1gkf0 (PC)
女「髪の色と感情と、どちらのほうが、種類があるんだろうね」
女「色の数だけ感情があるのか、感情の量だけ色があるのか」
女「べつに無理して対応させる必要もないんだけど」
女「髪色が少なくて、感情がとぼしいって思われるのも、何だし……」
女「ああ、もう、変わると変わるで面倒なのに! この髪は!」
313 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/25(火) 02:01:55.38 ID:xkOM1gkf0 (PC)
女「陽当たりして色の抜けた朝顔みたい?」
女「うん、これは、ぼうっとした水色と、気の抜けた白の合成、かな」
女「水をあげると、すぐにしゃきっとすると思うよ、たぶん……」
女「え? こっちにミスドなんかあったっけ?」
女「最近できたんだ。いつの間に……」
314 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/25(火) 02:09:48.72 ID:xkOM1gkf0 (PC)
女「ひさしぶりに、いい天気だねえ」
女「ちょっと、背中、いいかな?」
女「ん……あったかい。おふとんみたい」
女「……動いちゃだめ」
女「ふ、ふ。今の髪の色は、たぶん、お日さまにあたった君の背中みたいな感じだよ」
315 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/25(火) 02:13:30.74 ID:xkOM1gkf0 (PC)
女「……怒ってない」
女「怒ってないって」
女「髪の色なんて、光の加減で、どうとでも見えたりするものじゃない」
女「え? だから、髪を見なくても、わかる……?」
女「……もう、君は」
316 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/25(火) 02:18:34.71 ID:xkOM1gkf0 (PC)
女「それでね! 一面のビオラがまた……ひゃあ!?」
女「い、いきなり髪に触らないで!」
女「カンナみたいであったかそうだったって……」
女「まったく君は……うっかり熱く語ることもできやしない」
女「冷え性なの? んー……お手々、つないで……みる?」
317 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/25(火) 02:24:10.79 ID:xkOM1gkf0 (PC)
女「本気になったり、正体を現わしたりしたら、髪の色が変わるキャラっているじゃない」
女「あれも、わたしと同じ理屈なのかなあって」
女「わたしもいつだって本気や正体を見せているということになるのかな?」
女「うん、だからね」
女「君も、気合いを入れてわたしの相手をしないと、あとが怖いよ? ふ、ふ」
318 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/25(火) 02:26:13.90 ID:xkOM1gkf0 (PC)
女「んー? この山吹色は何が嬉しいのか、って?」
女「君が、髪から気持ちを当てるんじゃなく、気持ちから髪の色を論ずるようになったなあ、と思って」
女「……ふ、ふ」
女「違うよ。ぜんぜん違うよ」
女「あ、は、は。そこまでは、まだ、わからないかな?」
320 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/25(火) 02:29:53.88 ID:xkOM1gkf0 (PC)
女「……もう! いきなりびっくりさせないで!」
女「色が一気に紅葉色に変わるのがおもしろいからって」
女「そりゃあ普通は、気持ちの変化とともに、じわじわ変わるものだけど……」
女「だったら紅葉でも見てればいいじゃない」
女「……ん、わかればよろしい。じゃあ、君だけが知っている紅葉の穴場に案内してもらいましょうか?」
321 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/25(火) 02:32:05.61 ID:xkOM1gkf0 (PC)
女「君が花の色でたとえるのが好きだから、道端のちょっとした草などもよく見るようになったよ」
女「ちょっとした散歩でも、たくさんの花に囲まれているんだなあって、気が付いた」
女「君には、私が、こんなにもたくさんの花に見えているの?」
女「それとも、花が、わたしに見えているの?」
女「……ふ、ふ。花って、いいよね」
322 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/25(火) 02:33:16.16 ID:xkOM1gkf0 (PC)
女「顔色よりもはっきりと色の出るこの髪を見ているとね」
女「こんなにもはっきりと、眼に見える形になるものなのなら」
女「楽しい想い、素敵な想い、幸せな想いを、何か、形にして残せそうな気がして、もどかしくなるんだ」
女「いつでも、また、あの時の想いに触れられたら、って」
女「ちょ、や、急に抱きしめな……うん、そうだね、ずっと、こうしていられたら、いいんだよね……」
323 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/25(火) 02:35:04.53 ID:xkOM1gkf0 (PC)
女「わたしからしたら同じような髪の色なのに、君は、よくそう細かく区別がつくよねえ」
女「うん……うん、そうだね、完全に同じ感情をしている時って、たぶん、ないだろうから」
女「微妙に違うわたしの一時一時を、すごく、大事に想ってくれているんだ……」
女「でも、そんな大事な刹那、刹那を、こうやって、何でもないことのように、一緒に過ごせるのが」
女「たぶん、わたしの、しあわせ……」
331 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/25(火) 09:29:51.19 ID:SU3WeXqO0 (PC)
女「……」
ギャル「寝起きってなんかにごった白というかー、クーリムみたいというかー、シチュー?」
真面目「意識の混濁ってやつ、なのかな」
ギャル「え、なに? 異色な献立?」
真面目「あんたがお腹減ってるのはわかった」
女「わたしクラムチャウダーたべたい」
真面目「あんたもか」
332 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/25(火) 09:38:28.48 ID:SU3WeXqO0 (PC)
女「うぇ」
男「なんか髪の端が濃い緑っぽいな」
女「ネクスの味が舌に残ってて気になるの」
男「あるある。 ああいう系統のはなんか舌に残るんだよな」
女「ペプシ系は舌に何か残そうとしてることが多いと思う」
男「モンブランとかなんだったのか…」
女「うぅ、取れない」
333 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/25(火) 09:48:30.61 ID:SU3WeXqO0 (PC)
プーン、プーン
男「蚊か。 どうりでかゆいわけだ」
女「かゆい、耳障り、うっとうしい。 特に耳は止めて」
男「なんか鈍い鋼みたいな色してるな」
女「髪が黒い人や体温高い人のとこ行って欲しい。 しっ、しっ」
男「髪が黒いと寄るのはハチじゃなかったか」
女「髪が反応して倒してくれればいいのに。 ぷすっと」
男「そんな生物兵器みたいな髪怖いっての」
334 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/25(火) 09:54:33.24 ID:SU3WeXqO0 (PC)
ギャル「女って髪染めない感じ? 少し染めるくらいなら怒られないと思うんだけど」
女「興味はあるの。 けど」
ギャル「けど」
女「少したつと色もれしそう」
ギャル「…なんかすっごいちぐはぐになりそう」
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